仏/フランスの優良食品賞 Prix Epicures(プリ・ゼピキュール=エピクロス・アワード)
エストニア、ラトビアなどのバルト三国を旅行した人は、知らず知らずのうちに飲んでいただろうシップサップ社の白樺(しらかば)樹液入り天然水。リトアニアに本社を置くシップサップの「ルバーブ」(Rhubarb)は仏/フランスのプリ・ゼピキュール・ド・レピセリー・フィヌ(Prix Épicures de l’Épicerie Fine:優良食品エピクロス・アワード)2019においてエヴィアンなど世界に冠たるフランス飲料企業を抑えて受賞したことで知られる。
2013年に創設された仏/フランス・パリの食品品評会&優良食品表彰 Prix Epicures(プリ・ゼピキュール)は、その Epicurean’s Award という英訳や、古典古代の希/ギリシャの快楽主義派哲学者エピクロス(エピクーロス)の彫像をかたどったロゴのために、「美食快楽主義者賞」のように理解される。美食・美味しいものの探求をグルメ(遊び人の喰い道楽)ではなくガストロノミー(禁欲的な食通の道)ととらえるなら、この優良食品賞は、確かに、肉体的な快楽(ヘードノーン)と痛み(アリュートーン)は同じであり、「恒常的な快楽は、もはや(快楽でもなく)痛みでも苦しみ(リュプーメノーン)でもない」(ὅπου δ΄ ἂν τὸ ἡδόμενον ἐνῇ͵ καθ΄ ὃν ἂν χρόνον ᾖ͵ οὐκ ἔστι τὸ ἀλγοῦν ἢ λυπούμενον)、「快楽と痛みそれ自体は善でも悪でもなく、快楽は常に変化する」、人々は快楽/痛みから逃れられず、「心の寧静(平静・平穏)」(アタラクシア Ἀταραξία=Serenity:「地球(テラ)へ」(竹宮恵子、1977-1980)の舞台となる惑星名として知られる)こそが最高の快楽・贅沢であるとするエピクロスの名を冠するにふさわしい。わたしたち人間は、美味しいものの誘惑からのがれられない。エピクロスはいう:「若者に「善く生きよ/カロース・ゼーン」と、老人に「善く死ね/カロース・カタストレペヘイン」と命じる者は、人生の不可分性ゆえに善いだけでなく、善く生き、善く死ぬことを学ぶという点でも善い」。エピクロスが説く「心の寧静(アタラクシア)のうちに生き、死ね」=人生皆楽は、「肉体をもつ人間の業(ごう)」を、やや禁欲的に肯定するものといえそうだ。
Ὁ δὲ παραγγέλλων τὸν μὲν νέον καλῶς ζῆν, τὸν δὲ γέροντα καλῶς καταστρέφειν, εὐήθης ἐστὶν οὐ μόνον διὰ τὸ τῆς ζωῆς ἀσπαστόν, ἀλλὰ καὶ διὰ τὸ τὴν αὐτὴν εἶναι μελέτην τοῦ καλῶς ζῆν καὶ τοῦ καλῶς ἀποθνῄσκειν.
シップサップのような清涼飲料水が越語(ベトナム語)で「渃解渇/ヌオク・ザイカット」(南部方言ヌーッ・ヤイハーッ / nước giải khát / 渇きをいやす水)と呼ばれるように、エピクロスはいう:「自然であり必要である(ピヒュシカス・カイ・アナンカイアス)、エピクロス(わたし)によるなら、苦しみから解放する、渇きへの飲み水のようなもの(オース・ポトン・エピ・ディプスース)は」(φυσικὰς καὶ ἀναγκαίας ἡγεῖται ὁ Ἐπίκουρος τὰς ἀλγηδόνος ἀπολυούσας͵ὡς ποτὸν ἐπὶ δίψους)。自然の需要を充たすものが、エピクロスの考える善き快楽、善き贅沢である。一方、不自然・不必要な悪しき快楽は、「オース・ポリュテレー・シティア=(充足の度を超えた)奢侈な食事のようなもの」(ὡς πολυτελῆ σιτία)である。自然で必要な贅沢を好み、不自然・不必要な贅沢を嫌うエピクロス派(快楽主義者)の理念に従うなら、エピクロス・アワードは奢侈品の日常使いを否定し、恒常的でない「特別な機会」に味わう自然な味覚や、必要な視覚(パッケージ)を評価する優良食品賞となろう。きょうは、2025年4月~5月の、越国内紙による越/ベトナム産チョコレート企業マルゥのエピクロス・アワード2025受賞記事と、国際チョコレート賞アジア太平洋賞2025(バンコク)公式HPにおける授賞式報告を読み、またマルゥほかベトナムのチョコレート企業・工房の受賞者リストを紹介する。まず、マルゥのエピクロス・アワード2025受賞記事から。この記事は掲載後まもなく「乾杯ベトナム」氏によりNoteで抄訳が紹介されている。
仏エピクロス・アワード2025でマルゥがチョコレートとパッケージのダブル受賞の快挙を達成
Marou Chocolate giành giải thưởng về vị ngon và bao bì tại Pháp
FPTグループのオンライン越字紙「ブイエヌ・エクスプレス」2025年5月14日、記者:ジエプ・チー(葉枝)
仏エピクロス・アワード2025におけるマルゥの二部門受賞
2025年4月28日、越/ベトナム・ホーチミンシティー・トゥドゥク市(守徳城舗)に本社を置くショコラ・マルゥ(Sôcôla Marou / Marou – Faiseurs de Chocolat)の二製品が、仏/フランス・パリのプリ・ゼピキュール・ド・レピセリー・フィヌ(Prix Épicures de l’Épicerie Fine:優良食品エピクロス・アワード)2025において、チョコレート部門エピキュール・ドール(エピクロス金賞)、パッケージ部門クー・ド・クール・デュ・ジュリ(審査員賞)のダブル受賞の快挙を達成した。

マルゥのカフェスア(訳者注:越語南部方言では「カフェシュア」)・チョコレートバーは、世界中の有名チョコレート商標を抑えての受賞となった。この商品は、ベトナムの人々の生活と文化に深く根ざした常用飲料であるカフェスアから感興/インスピレーションを得た(lấy cảm hứng từ…)。それは、有機ロブスタコーヒーのほろ苦さと新鮮なミルクの甘み、そしてベトナム産カカオで焙煎した原質(純粋)なダークチョコレートが結合した香味をもつ(có hương vị kết hợp giữa đắng của cà phê Robusta hữu cơ, ngọt của sữa tươi, cùng với chocolate đen nguyên chất được rang xay từ cacao Việt Nam)。「優良食品エピクロス・アワード2025チョコレート部門エピクロス金賞」という名号(称号)は、この製品の創造的な香味を認めるとともに、マルゥがベトナム各地で地元原料の価値を高め、国際標準とベトナムの伝統価値観を結合させてきた(kết hợp tiêu chuẩn quốc tế với giá trị truyền thống Việt Nam)、その地道な行程(hành trình bền bỉ)を認めるものである。

マルゥのチョコレートの品質が国際品評会(các giải thưởng quốc tế)で栄名を得る(được vinh danh)のは今回が初めてではない。マルゥは、2011年の創業以来、仏サロン・デュ・ショコラ、 米ノースウェスト・チョコレート祭典、国際チョコレート賞、 英アカデミー・オブ・チョコレート賞など、様々な国際品評会において、金、銀、銅賞を獲得してきた。2016年には英/イギリスを代表するミシュラン三ツ星シェフ、ミシェル・ルー氏や、(日本発の)世界的ショコラティエ、ピエール・エルメ氏など飲食業界の巨匠たち(những tên tuổi hàng đầu trong…)をも「征服」した(đã chinh phục được…)。今回、マルゥは、カフェスア・チョコレートバーがチョコレート部門エピクロス金賞を獲得したのに加え、55%ローストバックホウィート(焙煎蕎麦粉)ダークチョコレートバーでパッケージ部門審査員賞も獲得した。エピクロス・アワードのパッケージ部門は、見た目の美しさだけでなく、効果的な商標価値の伝達、環境への責任を示す素材、高い実用性など、多くの基準に基づいて評価される。マルゥの55%ローストバックホウィート・ダークチョコレートバーは、カカオの鞘とクワ科のカジノキ樹皮(訳者注:アジア諸国の伝統製紙原料)をリサイクルした素材を使用した独自のパッケージデザインで審査員団を説服(魅了)した。このパッケージは環境への配慮を示すだけでなく、カカオ豆が栽培地から完成品に至るまでの密閉的行程(hành trình khép kín)を象徴する。マルゥのパッケージは、原材料の起源、気候、土壌といったストーリーを暗示的に伝え、また、マルゥという企業の、ベトナムの農業、カカオの伝統、そしてベトナムのチョコレート職人精神、農村コミュニティの職人精神への尊重・敬意(dành sự tôn trọng cho…)を表す。

マルゥはこれまでに4つの国際的なパッケージ・デザイン賞を獲得している。そのうち3つは世界的なパッケージ・デザイン賞であるペント・アワード、もう1つは消費者業界における革新的なデザインを称えるダイライン・アワードである。受賞作品の一つは、シンガポール国立美術館とのコラボレーションによるチョコレート・コレクション作品であり、ハノイ郊外ドンホー(東湖)版画の伝統技法から感興/インスピレーションを得たものである。この製品のパッケージ・デザインは、伝統的な版画技法と現代的なデザイン思考を融合させており、マルゥのプレミアム・チョコレート世界地図における位勢を肯定するのに資した(giúp Marou khẳng định vị thế trên…)。

三つの重要な要素に基づくマルゥの製品開発戦略
ショコラ・マルゥの代表者(訳者注:マルゥの代表者はカナダ・ケベック生まれのヴァンサン・ムルゥ(英語読み:ヴィンセント・モロー)と日系フランス人のサミュエル丸田の二人である)によれば、プリ・ゼピキュール・ド・レピセリー・フィン(優良食品エピクロス・アワード)2025におけるマルゥのダブル受賞は、3つの重要な要素に基づくマルゥの製品開発戦略の成功の証だという。

(Getty Images)
第一の要素は、高品質な原材料の探求と開発における先駆的な取り組みである。マルゥは地元の農家や発酵専門家と直接協力し、最高品質のカカオを確保するとともに、持続可能な農法も担保している。
第二の要素は、職人の哲学と地域のアイデンティティを尊重することである。カカオ豆はそれぞれが「物語の語り手」であり、それぞれの土地の個性を反映する。マルゥはそれぞれのカカオ産地の価値を重視し、農家と緊密に連携して最高品質のカカオ豆を厳選している。
最後、第三の要素は、その精巧なデザインである。マルゥのパッケージ・デザインは単なる包装ではなく、ベトナムのカカオ文化、自然、そして伝統を物語る。それぞれの製品は、創造的なデザイン、天然素材、そして手作りのパッケージの結合を体現する。
優良食品エピクロス・アワード2025におけるマルゥのダブル受賞(hai giải thưởng-二解賞)は、マルゥのプレミアム・チョコレート世界地図における位勢を改めて肯定する。「この成功は、マルゥが持続可能なヴィジョンとともに創造性とベトナム文化への尊栄・敬意を製品に込めてきた成果だ」とマルゥの商標代表者は強調する。
優良食品エピクロス・アワード2025について
2025年4月28日、仏/フランス・パリのパヴィヨン・ガブリエル(第八区シャンゼリゼ)で開催された Prix Épicures de l’Épicerie Fine 2025(プリ・ゼピキュール・ド・レピセリー・フィヌ2025、優良食品エピクロス・アワード2025)は、オンライン週刊食品業界誌 Le Monde de l’Épicerie Fine(ル・モンド・ド・レピセリー・フィヌ)が毎年主催する、手作り食品とキュイジーヌ(ẩm thực thủ công và cao cấp)の分野における優れた製品を表彰するイヴェントである。今年は、欧州各地から140以上の食品生産者と、食品・料理専門家、報道記者、美食家(食品・料理評論家)など800名を超える観客が参集した(訳者注:賞の格式はやや異なるが、同様な品評会・食品賞として、白/ベルギーのモンド・セレクション、日本のジャパン・フード・セレクション、農林水産大臣賞などがある)。(翻訳ココマデ)
続いて、国際チョコレート賞アジア太平洋賞2025(バンコク)公式HPの授賞式報告を読む。今春、泰/タイ・バンコクでは、4/17-19に見本市 APAC Craft Chocolate Market 2025 が、5/19-25に見本市 Thailand Craft Cocoa 2025 が開催され、泰国内及びアジア太平洋地域からカカオ生産者、チョコレート企業・工房、バイヤーが参集した。国際チョコレート賞アジア太平洋賞2025授賞式は、バンコク・エーラーワン廟(龍象王祠 / ศาลเอราวัณ / Ṣ̄āla Erāwaṇa)に近い商業施設セントラル・ワールド(เซ็นทรัลเวิลด์)三階の Eden Zone で開催された APAC Craft Chocolatet 2025 の一イヴェントとして行われた。チョコレートの原料カカオの学名テオブロマはギリシャ語で「神々の糧(かて)」の意であり、Eden Zone とは不思議な暗合である。
国際チョコレート賞アジア太平洋地域ビーントゥーバー&クラフト・ショコラティエ競技会2025授賞式
Asia-Pacific Bean-to-Bar and Craft Chocolatier Competition 2025 – Winners
国際チョコレート賞公式ホームページ、2025年4月19日
アジア太平洋地域ビーントゥーバー&クラフト・ショコラティエ競技会2025授賞式
2025年3月から4月にかけてリモートで審査された国際チョコレート賞アジア太平洋地域ビーントゥーバー&クラフト・ショコラティエ競技会2025受賞者を、ここに発表する。授賞式は泰/タイ・バンコクにて、現地時間4月19日(土)午後3時より開催された。授賞式は、香港に本社を置くCult de Choco(キュルト・ド・ショコ / カルト・デ・チョコ)のパンソピン・スパッパニット(Pansopin Supappanit)女史、ジェフリー・リー(Jeffrey Lee)氏、そして IICCT(国際チョコレート・カカオ鑑定学院)卒業生らによって、見本市 APAC Craft Chocolate Market 2025 会場で行われた。

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https://www.fuwanshop.com/blog/posts/fu-wan-chocolate-won-11-ica-asia-pacific-gold-medals-for-using-local-ingredients
セントラル・ワールド(เซ็นทรัลเวิลด์)三階の Eden Zone で開催された APAC Craft Chocolatet 2025には多くの応募者と IICCT(国際チョコレート・カカオ鑑定学院)卒業生らが集まり、週末を通して、チョコレート愛好家たちにトレーサビリティの高いクラフトチョコレートをPRした。 イヴェントの様子はFacebookでライブ配信され、受賞者はZoomで参加したほか、国際チョコレート賞共同創設者のモニカ・メッシーニ(Monica Meschini)女史とマーティン・クリスティー(Martin Christy)氏から直接表彰状を受け取った。 この競技会は、アジア太平洋地域において、カカオ豆から直接原料を調達し、プレーン/オリジン・チョコレートやフレーバー・チョコレートバーを製造するファインチョコレート、クラフトチョコレート、マイクロバッチ・チョコレートメーカー、そしてフィリング入りチョコレート、ドラジェ、スプレッドを製造するクラフト・ショコラティエに焦点を当てる。受賞者は2025年後半に開催される世界大会への出場資格を得る。 この競技会の審査員団は、アジア太平洋地域の常任審査員団に加え、IICCT卒業生、地域の専門家と国際審査員団から構成された。 受賞者は、本審査の後、審査員団によってファイナリスト(決勝戦出場者)の中から選出された。ファイナリストに選出されること自体が大きな功績であるが、ファイナリスト選出は必ずしも受賞を意味するものではない。 すべての審査は匿名で行われ、最終審査会で審査員団のルールに従い、金賞、銀賞、銅賞が非公開投票によって授与された。(翻訳ココマデ)
連覇とダブル優勝を達成した泰/タイ最高のチョコレート工房「PARADAi」
今年は会場が泰/タイ・バンコクだったので、タイ最高のチョコレート工房「PARADAi」(ภราดัย / Barādaya) の連覇(プレーン/オリジン・ミルクチョコレートバー部門(Phuket Milk Chocolate 60%、英アカデミー・オブ・チョコレート賞2024銀賞)とフレーバーチョコレートバー部門(Phuket Dark 70% White Flowers、英アカデミー・オブ・チョコレート賞2024銀賞、国際チョコレート賞2024金賞)での優勝)は、タイの若手ビーントゥーバー職人、ショコラティエらを大いに勇気づけただろう。

台湾企業の健闘、日本勢の活躍
2025年3月7日付け日本経済新聞が取り上げた台湾の福湾巧克力(フーワン・チョコレート)は、主要四部門での優勝は逃したものの、あらゆる部門で18作品が銀賞・銅賞に食い込み、マイクロバッチ・チョコレートメーカー・ダークチョコレート部門(Jasmine and Strawberry Ferment 70%)で金賞を獲得した。上記のように主要四部門のうち二部門はタイの PARADAi がダブル優勝を達成したが、残る二部門は日本勢の東京・富ヶ谷ミニマル・ビーントゥーバー(プレーン/オリジン・ダークチョコレートバー部門、山下貴嗣氏、アルアコ)と、同じく東京・吉祥寺プレスキルショコラトリー(フィリング入りチョコレート部門、小抜知博氏、柚子ガナッシュと落花生のプラリネ)で分け合った。おめでとうございます!

ベトナム勢の健闘
ベトナム以外の、ベトナム産カカオを使用した日本勢やアジア諸国勢の入賞は、栽培面積の縮小(作付面積は微増しているがまだ収穫できない)や価格高騰でベトナム産カカオの入手が困難なためか、今年もなかった。少し寂しい気がするが、ベトナム勢は今年も健闘し、三企業が入賞した。常連入賞企業でホーチミンシティー・トゥドゥク市に本社を置くショコラ・マルゥ(Sôcôla Marou / Marou – Faiseurs de Chocolat)はダークチョコレート・コーティング・フルーツ部門銀賞(Vietnam Chocolate 65% Coated Mandarin)(訳者注:Marou Chocolate Candied Mandarins と同じものか)、フィリング入りミルクチョコレートバー部門銅賞(Ben Tre 55% & Caramel Tamarind Harmony)を獲得した。ホーチミンシティー第三区のザ・ココア・プロジェクト(The Cocoa Project)は杏仁・チップ入りダークチョコレートバー部門銀賞(The Cocoa Project Ben Tre Coconut Dark Chocolate)で初入賞を果たした。バリア・ブンタウ省チャウドゥク県のビノン・カカオ(Binon Cacao)はプレーン/オリジン・ホワイトチョコレートバー部門銅賞(Binon Cacao White Chocolate 40%)で二年連続入賞を達成した。おめでとうございます!

特別な日のための、特別な美味として
古代中国・東周春秋時代の「老子」養生五(c.500 BC)にいう:「(恒常的に味わわれる)濃厚すぎる美味は、もはや美味とは感じられない」(五味は人の口をしておとろへしむ / 五味令人口爽 / ngũ vị khiến miệng người ta mất cảm giác)。またいう:「聖人は腹のために(障害の除去、対治を)行うのであって、目のために行うのではない」(聖人は腹のためにし、目のためにせず / 聖人為腹、不為目 / sự đối trị của thánh nhân là vì bụng, không vì mắt)。疲労やストレスを緩和し、心の寧静(アタラクシア、セレニティ)をもたらす、ほろ苦く甘く「自然な」チョコレートと、わたしたちの目をその存在に気づかせる最低限「必要な」パッケージは、老子によるなら、またエピクロス先生によるなら(ἡγεῖται ὁ Ἐπίκουρος)、きっと「自然で必要な」(φυσικὰς καὶ ἀναγκαίας)快楽・贅沢とお認めになるだろう。特別な日のための、特別なチョコレートとして、大切な人に贈りたいと思う。以上。