越国内で増えるコンセプトカフェ
中部フエ市スアンフー坊(化城舗春富坊)の「皇都咖啡」(Lucy’s Rakuen Café, Tầng Trệt, B7 Building, Đường số 2, Khu đô thị The Manor Crown, Đường Tố Hữu, Huế)のような、アニメーション&漫画コンセプトカフェ(コンカフェ、動漫概念咖啡館)「漫画咖啡」(Manga Coffee 326, Đường Ngô Gia Tự)が、中部南端ニントゥアン省ファンラン市キンジン坊(寧順省潘郎城舗経営坊)で2024年10月に開店した。コピー(宣伝文句)は「いのちみじかし、よきコーヒー(café ngon)をこそのめ」。2024年11月のホーチミンシティー第七区タンフォン坊(胡志明城舗第七郡新風坊)の韓国系「トップトゥーン・コミックス・カフェ」一時閉店以来、越国内の大型漫画喫茶店は消滅したが、日本や世界のアニメーションや漫画にフィーチャーしたコンカフェはむしろ徐々に増えている。ベトナム北部や中国では元々旧正月前後の追儺儀礼におけるコスチュームプレイ(コスプレ、扮戯)の伝統があって、現代コスプレも盛んであり、日系ベトナム情報誌「ベトナムスケッチ」2022年10月号で特集が組まれ、日本の有名コスプレイヤー・えなこのベトナム・ファンページもある。コスプレイベント以外でも、一部のコンカフェ内ではコスプレが可能であるが、ホーチミンシティー第十区第五坊「Figure MECHA Maid Coffee」(409/2, Đường Hoà Hảo)などを除き、越国内のコンカフェ店員さんは書生服やメイド服のようなコスチュームを着用しない。
リン&タイク「万人記・ノアン(胚)正伝」が日本国際漫画賞銅賞を獲得
2025年1月16日、令和六年度(2024年度、第18回)日本国外務省主催の日本国際漫画賞の入賞作品が発表され、グエン・トゥイ・リン(阮垂齢)作画、グエン・チュン・タイク(阮忠石)原作「万人記・ノアン正伝」(Chronicles of man – Noãn, Linh & Thạch, 2022)第一集が第18回国際漫画賞銅賞を獲得した。作品紹介では「虚構」(フィクション)と銘打たれてはいるものの、標題の「種」や「胚」を意味するベトナム漢語 Noãn(卵/ノアン)は、歴史上実在する、亡国の王子としての二十年近い流浪ののち、宿敵である西山阮氏を打ち破り、広南阮氏を再興したベトナム大南阮朝の初代皇帝・阮福暎(阮世祖-嘉隆帝/ザロン帝、1762-1820)の幼名「暖/ノアン」(阮福暖)の越南漢字音(ベトナム読み)との掛詞(かけことば)である。タイク&リンは、越南阮朝の正史列伝「大南正編列伝」を念頭に、日本の織田信長を彷彿とさせる、外国人・異宗教・少数民族とも分け隔てなく交わり、舶来趣味で、義理人情に厚く、阮黄徳や黎文悦、宋氏蘭ら家臣や正妻を愛おしみ(二人の墓は夫婦墓である)、人々に慕われる英雄・賢君であると同時に、敵のみならず味方をも多数暗殺・処刑した苛烈な気性の暴君としても知られるノアンの「正伝」(chính truyện)の漫画化に着手し、みごと銅賞を獲得した。二人の著者タイク&リンと作品を制作(プロデュース)した漫画創作集団コミコラの皆さんにお祝い申し上げる、入賞おめでとうございます!

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https://www.manga-award.mofa.go.jp/pdf/award18th/Chronicles_of_man.pdf

漫画創作集団コミコラ
創作集団コミコラは、ホーチミンシティーのファンティー公司(潘氏公司)が発売していたファンジン「神童(タンドン)ダトベト・ファンクラブ」と漫画雑誌「越漫画13+」(チュエンチャインベト・ムオイバーコン)投稿者たちを母体に、2014年にオンライン漫画サイト「Comi-Cola」として誕生。2015年に法人化され、その翌年に二人の創業者グエン・タイン・フォン(阮成風)作画、グエン・カイン・ズオン(阮慶洋)原作「龍神将」(Holy Dragon Imperators:古代ギリシャとベトナムに共通する少女霊媒による「死霊」(ダイモーン)記憶の召喚(νεκρομαντεία/necromancy =上童/lên đồng)を背景に、意図せず霊媒となった現代ベトナムの少女(童/đồng)が十三世紀陳朝時代の英霊たちの記憶を召喚し、元寇当時の恐ろしい諸事件を物語る)の第一集が平成二十七年度(2015年度)第9回日本国際漫画賞銀賞を獲得した。以来フォン&ズオンは自身の創作と後進の育成に力を注ぐ。二人を支えるマネージャーのダオ・フオン・タオ(陶芳草/Nami)女史は美貌の元コスプレイヤーとしても知られる。





きょうはベトナムの漫画産業に関する「バオ・ティントゥク」(信息報)オンライン及び「バオ・トゥオイチェー」(歳稚報)オンラインの2025年5月掲載記事二本を読む。まず、「バオ・ティントゥク」記事から:
第18回日本国際漫画賞にベトナム漫画が入賞
Truyện tranh Việt Nam ghi dấu tại Giải Manga Quốc tế Nhật Bản lần thứ 18
越通社「バオ・ティントゥク」(信息報)オンライン、2025年5月28日、記者:フオン・チャン(香陳)
在ホーチミン日本国総領事館さくらホール:第18回日本国際漫画賞授賞式
2025年5月28日午後、ホーチミンシティー第三区ヴォーティーサウ坊の在ホーチミン日本国総領事館さくらホール(261 Đường Điện Biên Phủ)で第18回日本国際漫画賞の授賞式(Lễ trao giải-頒解礼)が開催(diễn ra)された。「万人記・ノアン正伝」(Chronicles of man – Noãn)の入賞(được vinh danh-得栄名)は、ベトナムの漫画産業にとって誇らしいマイルストーン・イヴェント、越漫画が国際舞台において新たな一歩を踏み出したことを象徴する出来事となった。在ホーチミン日本国総領事・小野益央氏は「作品に鮮やかに表現された独自視点(góc nhìn độc đáo)と創造精神(tinh thần sáng tạo)を持つ若手作家、グエン・トゥイ・リン(阮垂齢)女史とグエン・チュン・タイク(阮忠石)氏に心からお祝い申し上げる」と祝辞を述べた(gửi lời chúc mừng sâu sắc tới…)。

8回目になる越漫画(チュエンチャインベト)の日本国際漫画賞入賞
令和六年度(2024年度、第18回)の日本国際漫画賞には、95の国と地域から716点の応募があり、過去最多を記録した。これはチュエンチャインあるいはマンガ(漫画)という産業の、全世界的規模の大きな影響力(sức lan tỏa mạnh mẽ)を示す。熾烈な競争の中、越/ベトナムから二人の作家(リン&タイク)が受賞したことは、当人たちだけでなく、現代漫画潮流の中で着実に地位を確立しつつある越漫画コミュニティー全体にとって、誇らしい出来事(là một dấu ấn đáng tự hào)である。日本国際漫画賞に越漫画が入賞するのはこれで8回目となる(Đây là lần thứ 8)。
1、2008(第二回)銅賞/入賞:「ビー、ボー、金亀」(阮光全)
1、2008(第二回)銅賞:「麒麟伝」(阮成仁)
3、2012(第六回)銅賞:「龍地」(Dimensional Art Studio/3D Hanoi:丁曰方、杜如装、黎林園)
4、2015(第九回)銀賞/優秀賞:「龍神将」(Comicola:阮成風、阮慶洋)
5、2016(第十回)銀賞:「地獄門」(Comicola:干小熙)
6、2022(第十六回)銅賞:「雨月物語」(Comicola:Vuy-黄薔薇)
7、2023(第十七回)銀賞:「舞踊宇宙」(Comicola:Nachi-阮香江)
8、2024(第十八回)銅賞:「万人記・ノアン正伝」(Comicola:阮垂齢、阮忠石)
日本のマンガ・スタイルで描かれるベトナムの歴史人物伝
原作者グエン・チュン・タイク(阮忠石)氏は、次のように感慨深げに述べた(xúc động chia sẻ):
「「万人記・ノアン正伝」は、自分自身について、日々の生活(cuộc sống)について、そして信念(niềm tin)について疑問を抱いていた時期に書いた。物語の主人公ノアンはザロン帝(阮福暎、阮世祖-嘉隆帝)にインスピレーションを受けており、葛藤、孤独、そして自己克服への努力に満ちた内面の旅を背負う。書いているときはまるで自分自身と対話しているような感覚だった」。
ベトナムの歴史上の人物と、日本のマンガ・スタイルに着想を得た物語形式が融合し、他に類を見ない文化交流作品が誕生した。繊細な描写、心理的な深み、そして人間味あふれる(ヒューマニスティック)なメッセージに満ちた「万人記・ノアン正伝」は審査員や世界中の読者の心に深く響いた。
「文化は違っても、人生、運命、そして人間の願いにおいては、わたしたちは皆同じだ」。
タイク氏は、「万人記・ノアン正伝」が扱うのは国境や時代を超えたメッセージであるという。
「万人記・ノアン正伝」が第18回日本国際漫画賞銅賞を受賞したことは、二人の若手作家当人の才能を称えるだけでなく、ベトナムの漫画産業が世界へと発信し続けるための機会を開き、次世代の若いクリエイターに刺激を与えるものである。また、ベトナム漫画が「独自性と共通性を兼ね備えた」(vừa riêng biệt, vừa hội nhập)自己同一性(bản sắc-本色)を築く道のりにとって、前向きな兆候といえる。授賞式は、何世代にもわたって漫画への愛を育んできた象徴的なキャラクターへのトリビュート(tri ân-知恩)として、アニメーション『ドラえもん』の上映で締めくくられた。タイク氏は、「ドラえもん」が彼を日本文化へと導き、こんにちの漫画創作への夢への道を切り開いてくれた「最初の扉」だったと、これもまた感慨深げに述べた(chia sẻ đầy xúc động)。(翻訳ココマデ)

3回目以降の越漫画による日本国際漫画賞入賞には、すべて越国内の漫画創作集団(漫画創作プロダクション、漫画編集スタジオ)が直接的・間接的に関与する。これは、2012年改正ベトナム出版法の第三章において、検閲の禁止の維持(ベトナム当局は自主規制を求めることや事後回収を行うことはできるが、事前検閲はできない)と並行して、「発行元」=報道機関・出版社(16-22条)の国営企業限定規定が維持されたことによるものか、あるいは、「虫プロダクション」に始まる日本漫画のプロダクション方式に学んだものか。2019年まで「神童ダトベト」の「発売元」だったファンティー公司(潘氏公司)も、早くからこの方式を採用していた。4回目以降の受賞者はすべて、ファンティー公司の「神童ダトベト・ファンクラブ」や「越漫画13+」から巣立っていった創作集団コミコラのメンバーたちである。続いて、新たな漫画創作集団の起動を報じる「バオ・トゥオイチェー」記事を読む。
越漫画の夢を叶えるーコミックランド・プロダクションズ
Comic Land Productions, khởi lên giấc mơ truyện tranh Việt Nam
ベトナム・ホーチミン共産青年団ホーチミンシティー団(城団)機関紙「バオ・トゥオイチェー」(歳稚報)、2025年5月23日、記者:ホー・ラム(胡藍)
コミックランド・プロダクションズの起動
数年にわたる市場調査を経て、トゥイ(Lương Thúy Phương-梁翠芳)女史は越漫画への夢を実現できる場所、コミックランド・プロダクションズを起動した(khát khao xây dựng một nơi khởi lên cho…)。以来、トゥイ女史とその仲間たちは約一年かけてコミックランド・プロダクションズの調査と実装に取り組んできた。二人の主要メンバーは、アイデアの策定、戦略策定、検索、作家とのコンタクト、メディア、販売戦略、管理、出版社、印刷会社、配送会社などのパートナーとの連携など、あらゆる業務を担当している。


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作品を発表し切磋琢磨する場が少ないベトナムの漫画産業
2025年5月末、コミックランド・プロダクションズは、実現される最初の「アイデア」となる競作漫画集(アンソロジー)「ドリームズ・オン!」(Dreams On!)をリリースする。第一集は約270頁、うち20頁は精巧に描かれた極彩色頁である。執筆陣は中高生の爽やかな青春模様を描く「不尽夏季」(Mùa Hè Bất Tận, 2022)のラム・ホアン・チュク(林黄竹)、第17回国際漫画賞銀賞獲得、稲垣足穂風の天体童話「舞踊宇宙」(The Dancing Universe, Comicola, 2023)の Nachi(阮香江)、東方project 風の魔女物語「魔女之子」(2017)のプラズマ(PlaSma)、「星の王子さま」(Le Petit Prince, Antoine de Saint-Exupéry, Kim Đồng, 1943)の越訳挿絵やモノクロの怪作「影」(Bóng, Comicola, 2022b)のグエン・タイン・ヴー(阮成雨/阮成武)と、ゲームを題材にしたホラー系、ユーモア系イラストで知られるドクター・スマイリー(Dr. Smily)。各作家は、それぞれ独自のスタイルで30~50頁の短編作品を1本ずつ執筆する。第一集のジャンルは主にスライス・オブ・ライフ系(空気・日常系)とファンタジー系(科学・幻想系)である。五作品のうち一つはセリフがほとんどないサイレント漫画で、イラストが中心となっており、各コマに感情の深みが表現されているなど、非常に独特な作風に触れる機会が得られる(これはグエン・タイン・ヴーの諸作品の特徴である)。「バオ・トゥオイチェー」の取材に答えて、トゥイ女史はいう:「わたしは夫がフランス人で、日本、アメリカ、ヨーロッパのマンガやコミックジャンルに影響を受け育った。2024年、夫の国であるフランスを旅行中、わたしは漫画の多様性を目の当たりにする機会を得た。漫画はどこにでもあり、店頭の重要な位置を占め、様々な年齢層向けの多様なコンテンツ(内容物)が揃っていた。帰国後、よく観察してみると、今日のベトナムのほとんどの書店では、漫画は児童書や学生向けの本と一緒に置かれていることが多い。その多くは日本と中国の漫画であって、ベトナムの漫画はあまりない。なぜなのか。わたしたちはその疑問の答えを探し、様々な記事を読み、SNSのフォーラムに参加し、書店を歩き回り、漫画作家や漫画産業関係者と話をして、気づいた。ベトナムには才能が不足しているのではなく、才能を磨く場が不足しており、また作品を発表し切磋琢磨する場が不足している。そして、無料で漫画を読んだり共有したりすることが非常に普及している一方で、越漫画の作り手たちに対するコミュニティからの認知は不足している。わたしとわたしの同僚たちは、作家の作品は多くの人々に知られるに値するものであること、漫画が一人ひとりの文化生活の一部であり、漫画作家自身もその努力が認められるべきだと考えている。コミックランド・プロダクションズは、ベトナムの漫画作家やアーティストが創作活動を行うための「切磋琢磨の場」を作り、彼らの作品が関心を持つ読者コミュニティに求められるようになり、漫画創作活動が努力に見合った収入をもたらす『職業』となることを目指して設立された」。
夢を描くのが好きだった
トゥイ女史は、「コミックランド・プロダクションズのアンソロジー・シリーズに「ドリームズ・オン!」と名付けたのは、だいぶ後になってからのことだった(đến muộn hơn)」という。
「わたしたち、コミックランド・プロダクションズは、ある作家が『わたしは夢を描くのが好きだった(Tôi thích vẽ lại giấc mơ)』と話したことにインスピレーションを受けた。夢とは何だろう・・・わたしたちは考えた。作家がペンを手に取り創作活動を行う時もまた、読者に作品を届けるという夢、つまり情熱を表現し、満たす夢を心に抱いているのではないか。物語を創作することも、また夢になり得る。さらに、物語の内容は主に架空のものであれば、作家たちは「想像知」(trí tưởng tượng)をより自由に羽ばたかせ、様々な色彩を生み出すことができる。そこでわたしたちは標題として「ドリームズ・オン!」を選んだ。たくさんの夢が詰まった作品集であるのは間違いない。夢が始まり、常に前進していく場!(nơi cho những giấc mơ được bắt đầu và luôn luôn hướng về trước!)、それが、わたしたちの考える「ドリームズ・オン!」である」。
「ドリームズ・オン!」に参加している漫画作家の一人、Nachi 女史は、「バオ・トゥオイチェー」の取材に答えて、こう話す:
「第一集のプロジェクトの中で最も惹かれたのは(điều làm chị thu hút nhất từ dự án phần nhiều là)、主に人間的な要素からだった(từ yếu tố con người)。「ドリームズ・オン!」チームは、制作プロセスだけでなく、作家たちの人生や価値観にも真摯に取り組んでくれる。また、彼らのプロ意識と事業体制のおかげで、一緒に仕事をする上で大きな安心感を得ている。最も重要なのは、質の高い出版物を作ることだと、「ドリームズ・オン!」チームと作家たちとの最初のミーティングから(từ cuộc họp đầu tiên)、そう話し合ってきた(đã bàn với nhau như vậy)」。
抱負と内力の均衡
当初(khởi đầu-起頭)、コミックランドプロダクションズは、「抱負」(hoài bão-懐抱)と「現状の規模の制約」の均衡を取るために、いくつかの方向性を掲げていた。例えば、①各作家の作風を全面的に尊重すること、②プロモーション予算を限定すること、③「ドリームズ・オン!」のウェブサイトとフェイスブックによるオンライン販売を通じて読者に書籍を自主配布すること、④作品と付属アイテム以外の知的財産権は作家に留保しないこと。つまり、作家は「ドリームズ・オン!」プロジェクトで構築したキャラクターやキャラクター世界を、「ドリームズ・オン!」以外の目的に自由に利用できる。第一集の価格は現在の市場平均よりも高めであるが、同時に、既存の標準よりも大きく、厚みがある。各作家のアイデンティティを継承しつつ、新しく現代的なスタイルで出版するなど、質の高い出版物を目指す。(翻訳ココマデ)
2024年12月11日、キムドン(金童)出版社が、コミコラ関係者も審査員を務める「アンスティチュ・フランセ&キムドン漫画創作コンテスト2024結果発表」を行い、その直後に第二回コンテスト(2025)の募集予定を通知した。コミックランド・プロダクションズとトゥイ(Lương Thúy Phương-梁翠芳)女史たちの漫画出版事業は、フランス政府の国際交流機関アンスティチュ・フランセ、ベトナム国営キムドン出版社、先行する漫画創作集団コミコラのこのような漫画作家育成事業に寄り添いつつも、これとは異なるもう一つの道を作家と読者たちにのコミュニティに示すものであるようだ。以上。